2015年10月27日火曜日

古書「釣趣戯書」

神保町に行く機会があり、古本屋で、ふと見つけた釣りの古書を買ってきました。
佐藤垢石著「釣趣戯書」

昭和17年初版本を1500円でゲット。
戦時中の本。

佐藤垢石は、釣りジャーナリスト。
雑誌「つり人」の初代編集人。
序文に、直樹賞作家の井伏鱒二。

やはり、鮎の話が多く、江戸時代の旗本から、最近のテレビ東京ではじまった釣りバカ日誌に至るまで変わっていません。
私は、小学生の頃、引っ掛け釣りしかやったことがないのですが、友釣りは奥が深いようです。
第1話 浜崎伝助が面接で鮎の友釣りを語る。
武田鉄也・定年退職でスーさんに鮎竿を贈る。

昭和17年当時は、釣りバカとは言わず、釣キチとか釣師気質(かたぎ)と言っていたようです。

当時、釣りは、国技のように考えられてきたとのこと。
著者の若い頃の一昔前は、釣りといえば怠け者の隠れ遊びだったのが、(戦時中ともなると)釣りに対する世間の認識が高まっていたようです。

釣りは、他の遊びに比べ、健康的であり、弊害を伴わない。
競馬や野球は観戦するのみ。
舞踏や卓技は室内に籠って不衛生。
碁や将棋は相手を必要とし、
ゴルフはあまりにも多額の費用。
銃猟は限られた季節があり、
料亭に座して酒色に耽るは時節柄沙汰の限り。
釣りは費用が尠(すくな)い。相手がいらぬ。いつでも行きたいところへ、一人で行って楽しめる。
勝負という邪念が伴わない。
健康が叫ばれる今日、釣りに対してどこからも苦情がこないと思う・・・

とのことで、なるほどと思いました。

釣りに関する日本文学は、意外と少ないようですが、この本の中で、紹介されている、石井研堂著「釣師堅気」、村井弦斎著 「釣道楽」なども読んでおこうかと思いました。

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